2025年7月1日放送のマツコの知らない世界に、「時間」を研究して30年という心理学者の一川誠(いちかわまこと)千葉大学教授が登場。
体感時間とは、実際に経過した時間とは異なる「人が主観的に感じる時間の長さ」のこと。
歳を取ると1年があっという間な理由や体感時間が長くなるという最強スポットが紹介されて話題になっています。
なぜ最近、1年があっという間に過ぎてしまうのか?

朝起きてバタバタと準備し、仕事に追われ、夜には疲れてソファに沈み込む。そして翌朝、また同じことの繰り返し。
時計の針は確実に進んでいるはずなのに、なぜこんなにも時間の感覚は曖昧なのでしょう。
実は、これは決してあなただけの問題ではありません。
千葉大学の一川誠教授が長年研究している「体感時間」の分野では、こうした現象には明確な理由があることが分かっています。
時間感覚のエキスパートである一川教授の研究から、時間をコントロールして充実した毎日を送る方法を探ってみたいと思います。
一川誠教授が解き明かす「体感時間」の正体
一川誠教授は、知覚心理学を専門とし、「時間学」を展開する研究者として知られています。
2022年には『仕事の量も期日も変えられないけど、「体感時間」は変えられる』という著書を出版し、多くの働く人々に実践的なアドバイスを提供してきました。
教授によると、私たちが感じる時間の長さは、物理的な時間とは全く別物だといいます。
同じ60分でも、楽しい映画を見ているときと退屈な会議に参加しているときでは体感する長さが大きく異なる、これこそが「体感時間」の核心なのです。
この現象は単なる気のせいではありません。
私たちには時間を感じる専用の感覚器官がないため、複数の感覚を組み合わせて時の流れを推測しているのが実情です。
つまり、体感時間は脳が作り出している「主観的な時間」であり、意識的にコントロールできる可能性を秘めているということになります。
注目を集めた「マツコの知らない世界」での解説
一川教授の体感時間に関する研究は「マツコの知らない世界」でも取り上げられ、話題になっています。
番組では、日常的に感じる時間の謎について、科学的根拠に基づいた分かりやすい説明を展開。
体感時間の研究は心理学の中でも比較的新しい分野といえます。
そして現代社会では働き方改革や生産性向上が叫ばれる中、時間に対する意識の重要性がますます高まっています。
一川教授の研究によれば、体感時間をコントロールすることで同じ24時間でもより充実感を得られるようになるのだそうです。
歳を取ると1年があっという間な理由とは?ジャネーの法則
「子どもの頃の数年間は思い出がたくさんあるのに、大人になってからは時間が過ぎるのもあっという間でたいした思い出もない」
こんな感覚に心当たりがありませんか?
これは決して錯覚ではなく、「ジャネーの法則(ジャネの法則)」として心理学的に説明されている現象なのです。
心理学が証明した「時間が加速する」仕組み
ジャネーの法則では、生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢に反比例すると説明されています。
つまり、60歳の人にとっての1年は人生のたった60分の1ですが、6歳の子どもにとっては人生の6分の1におよぶ長い時間であるということ。
ただし、これについて一川教授は、実際には反比例よりもゆるやかなものだろうと語っています。
新鮮な体験が「時間を引き延ばす」メカニズム
一川教授の研究を含む複数の心理学的見解によると、体感時間の長短には「新鮮な体験の量」が深く関わっているとされています。
子どもの頃は毎日が新しい発見の連続です。
初めて見る景色、初めて聞く音楽、初めて味わう食べ物。こうした「初回体験」が記憶に深く刻まれ、振り返ったときに時間が長く感じられるのです。
反対に、大人になると日常がルーティン化しがちです。
同じ道を通って職場に向かい、同じような仕事をこなし、同じ番組を見て眠りにつく。
このような「自動操縦モード」の生活では、脳が新しい情報を処理する機会が減り、結果として時間の記憶が薄くなってしまうわけです。
これは脳の効率化メカニズムでもあります。
慣れた作業に対しては意識的な注意を向ける必要がないため脳のリソースを節約できますが、その副作用として時間感覚が薄れてしまうのです。
まとめ:体感時間をマスターして人生の充実度を10倍に!
一川誠教授の研究が明らかにしたように、実は、時間感覚は決して固定されたものではありません。
意識的な働きかけによって大きく変化させることができる可塑性に富んだものなのです。
歳を取ることで時間が短く感じられるのは自然な現象ですが、それに抗う方法は確実に存在します。
新しい体験を積極的に取り入れ、五感を意識的に活用し、感情と向き合いながら時間をデザインしていく。
こうした実践を通じて、あなたの人生はきっと今よりも豊かで充実したものになるはずです。
明日の朝、目を覚ましたら、まず窓を開けて深呼吸をしてみてください。そして「今日はどんな素敵な時間を過ごそうか?」と自分に問いかけてみましょう。
その瞬間から新しい時間デザインが始まります。
時間は有限ですがその質は無限に高めることができるということを、一川教授が教えてくれました。
#マツコの知らない世界