2025年7月20日に実施される参議院選挙では、政権交代の可能性が話題になっているようです。
結論から言えば参議院選挙だけで政権交代が起こることはありません。
2009年民主党への政権交代は衆議院選挙で実現したものであり、参議院選挙は間接的な影響を与える程度の出来事なのです。
参議院選挙2025で政権交代はあるの?

2025年7月の参院選で与党が過半数に届かなければ衆参両院で過半数割れとなり、政権交代が現実味を帯びてくると言われています。
ですが、日本の政治制度では総理大臣は衆議院議員の中から選ばれるということもあり、衆議院の方が内閣に対して強い権限を持っています。
参議院で与党が過半数を失った場合は「ねじれ国会」という状態になります。
この状況では重要な法案の成立が困難になり、政権運営に支障をきたす可能性が出てくるのです。
そして、その結果衆議院の解散・総選挙が行われ、そこで野党が勝利すれば政権交代が実現することになるのです。
つまり、参議院選挙2025は政権交代への「きっかけ」にはなり得ますが、直接的な政権交代をもたらすものではありません。
政権交代には必ず衆議院選挙での勝利が必要なのです。
自民党が野党に転落した2009年
第45回総選挙は2009年8月30日に投開票され、民主党が単独過半数を大きく上回る308議席を獲得して圧勝しました。
民主党は「政権交代」を訴え、対する自由民主党は「責任力」を強調したこの選挙では、有権者の政治不信が自民党離れを加速させました。
2009年の政権交代が成功した背景には、いくつかの要因がありました。
安倍晋三元首相と福田康夫首相が相次いで政権を投げ出したことを挙げ、「毎年、総裁が代わらざるを得ない状態は(敗因の)一つだ」と当時の麻生首相自身が語っています。
このとき、麻生連立内閣の支持率は23.2%まで落ちていました。
自民党は公示前の300議席から119議席に激減する惨敗を喫し、1955年の結党以来初めて野党に転落することになったのです。
立憲民主党や国民民主党が連立与党になる未来
現在の野党では単独で過半数がとれる規模の政党が存在しないため、他の政党との連立が不可欠です。
与党になるためには衆議院選挙で勝利する必要がありますが、参議院選挙2025の結果はその道筋を作る重要な要素になります。
2009年の民主党政権発足当初、鳩山内閣の支持率は70%を超える高率を叩きだしましたが、その後の政治のかじ取りは迷走気味で政権末期には内閣支持率が20%を割ることに。
政権を獲得することと政権を維持することには別の課題があるということを日本国民は思い知りました。
これから先、立憲民主党が連立与党になる可能性として考えられるシナリオは、まず2025年の参議院選挙で与党が過半数を失い政権運営が困難になることです。
その結果、衆議院の解散・総選挙が行われた時に野党連合が勝利すれば政権交代が実現することになります。
しかしこれは複数の条件が重なった場合に限られ、2009年のような政権交代が再び起こる可能性はいまのところ低いと考えられています。
たしかに現在の石破内閣の支持率はとても低いのですが、政権交代するとなると代わりに政権を担う政党が必要となります。
2009年の民主党は小沢一郎氏など力のある政治家を多く擁していたため期待値が高かったように思いますが、現在の野党に対する期待値は2009年の民主党ほどには高まっていない気はしますね。
そして2025年7月現在、石破内閣の支持率は24.0%。
これは自民党の政権復帰後最低の支持率だそうですが、与党から陥落した2009年7月の政権支持率(23.2%)に近づきつつあるようです。


